
ドラえもんと恐竜がまさかのコラボ!?その名も「ノビタイ」
恐竜の世界に、日本の国民的キャラクターが登場しました。
その名前は 「エウブロンテス・ノビタイ」。
学名の最後に「ノビタイ」とつくことで、誰もが思い浮かべるのは『ドラえもん』のあののび太くんです。
しかし、どうして恐竜にのび太の名前がついたのでしょうか?
そして、この恐竜はどのようにして新種とわかったのでしょうか?
今回は、恐竜研究の最前線とポップカルチャーが交わった、少しユニークで胸が熱くなる物語を紹介します。
命名の理由は「映画ドラえもん」の影響
この恐竜の名前をつけたのは、中国の著名な古生物学者 シン教授(Xing Lida) です。
彼は子どもの頃からドラえもんの大ファンで、研究者として世界中で恐竜化石を発掘しながらも、少年時代の夢や憧れをずっと持ち続けていました。
特に2020年8月に公開された映画 『映画ドラえもん のび太の新恐竜』 に強いインスピレーションを受けたそうです。
映画の中では、のび太が見つけた新種の恐竜に自分の名前を入れていました。
「恐竜研究者として、自分も同じことをしてみたい」――そう思ったシン教授は、今回発見された恐竜の足跡化石にのび太の名を冠したのです。
恐竜の学名の付け方
恐竜の学名は、基本的に ラテン語の形式で命名されます。
- 発見者や関係者の名前を入れる場合は、語尾に「i(イ)」を付ける
- 地名や特徴を入れる場合は、形容詞や名詞の形に変える
そのため「Nobita(のび太)」は「Nobitai(ノビタイ)」となりました。
ラテン語風にアレンジされて、学術的な響きとユーモアが共存する名前になったのです。
「足跡だけ」で新種がわかった!?
恐竜の新種というと、頭骨や全身骨格を思い浮かべがちですが、足跡化石だけで新種と認定されるケースもあります。
足跡化石からは、恐竜の歩き方・体重・足の形状・スピードなど、多くの情報が読み取れるのです。
エウブロンテスとは?
- 学名の意味:「エウ(真の)」+「ブロンテス(地響き・雷)」
- 特徴:二足歩行、3本の指の先に鋭いかぎ爪
- 発見地:アメリカ・コネチカット州(ジュラ紀の地層)
もともとエウブロンテスはジュラ紀の肉食恐竜の足跡として知られていました。
しかし今回の 「ノビタイ」 は、白亜紀の地層から初めて見つかったエウブロンテスの仲間です。
つまり、「時代の異なる足跡が見つかった」という点でも大きな発見なのです。
ノビタイが新種と認められた理由
足跡の形状を高精度の3DスキャンとCGで分析した結果、次のような特徴が確認されました。
- 第2指と第4指の開きが他の種より大きい
- 中央の指(中指)がやや外側に傾いている
- 足幅が広く、がっしりした印象
- かかとの丸みが顕著で、安定性が高い
- 指先のクロー痕が深く、肉食恐竜らしい鋭さを示す
これらの特徴は、既存のエウブロンテス属の恐竜とは異なるため、新種として正式に記載されました。
足跡から恐竜の生活を推測
足跡の間隔や深さから、ノビタイは比較的小型で素早い動きが得意な肉食恐竜だったと考えられます。
白亜紀の環境下で、敏捷に動き回り小動物や昆虫などを捕食していた可能性があります。
名前に込められたユーモアとロマン
恐竜の学名には、発見地や特徴だけでなく、命名者の遊び心や敬意が込められることがあります。
たとえば、スター・ウォーズの登場人物にちなんだ「イラトルサウルス・ルーカスイ」、
音楽家にちなんだ「マエストロサウルス」など、世界中でユニークな命名が行われています。
今回の「ノビタイ」もその一例。
子どもの頃の憧れが研究の成果と結びつき、恐竜学という厳格な学問にユーモラスな一面を与えました。
「もしドラえもんがいたら、タイムマシンでノビタイに会いに行けたかもしれない…」
そんな想像をかき立ててくれる、夢のある発見ですね。
まとめ
- 恐竜の名前に「のび太」! ― 命名者はドラえもんファンのシン教授
- 足跡化石だけで新種を判定 ― 3D解析で細かな違いを発見
- 白亜紀に生きた小型肉食恐竜 ― エウブロンテス属では初の記録
- 学名はラテン語形式 ― Nobita → Nobitai(語尾にi)
恐竜研究は今も進化を続けており、世界のどこかで新しい発見が生まれています。
次に名前がつくのは、もしかしたらあなたの好きなキャラクターかもしれません…!
画像引用元(サムネ):
ドラえもん公式サイト
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